挿絵の花菖蒲の浮世絵は歌川広重の作である。
日々の暮しの苦労や煩わしさを一掃するような清々しさが伝わってくる。
広重はこんな句を遺している。
『われ死なば 焼くな埋めるな野に捨てて 飢えたる犬の腹を肥やせよ』
何事にも動じない覚悟のようなものを感じる。
「覚悟を持って生きているのか」
「何だ、その覚悟は」
「今日の酒が明日も呑めるとは限らねぇってことだな」
「そうすると、昨日呑んだ酒はどうなるんだ」
「んん・・?」
03/水無月/2024 山田 雄正