前回は「焙煎とエントロピー」のお話でした。今日は「抽出とエントロピー」。
広島の、とあるコーヒー好きが数年前にFacebookに書きました・・・コーヒーを淹れるということは、「コーヒー豆 + お湯 → コーヒー + コーヒー滓」でも、逆は絶対に起こりません。ということなので、コーヒーを淹れるとその中身がカップ全体に広がって、エントロピーが増大したというのです。
この話は、コーヒー豆を1滴の墨汁に置き換えてカップ1杯の水に垂らした時を想えば、なるほどと納得できるのです。何故なら、小学生にエントロピーを教えるときの例え話になっているからです。熱力学者が正しいと言っているのですから、広島の友達が考えた「コーヒーを淹れるとエントロピーが増大する」は、計算は出来なくても、間違っていない話なのです。
友達は更につけ加えて、「エントロピーの増え方が小さいほど、淹れたコーヒーは美味しい」とも書いています。では、エントロピーの増え方が最も小さい淹れ方とは、どんな淹れ方なのでしょうか?その答えは、「低い温度の少ない量の水で素早く淹れる!」なのです。
もっと具体的に言うならば、「エスプレッソ」のことで、筆者も実感できるのですが、困ったことに、淹れて貰わないと飲めないのです。
2024年10月1日 岡 希太郎